子宮内膜症に対する直腸半層切除

子宮内膜症の手術は、可能な限り子宮内膜症病巣を切除することです。しかし、直腸に浸潤している子宮内膜症を切除すると、直腸を穿孔する（もしくは直腸を一部切除しなければならない）可能性があります。ここでは直腸の子宮内膜症病巣の切除（直腸半層切除）を供覧します。

腹腔内の所見

月経痛と慢性骨盤痛にて腹腔鏡下手術を施行。
子宮筋腫と卵巣子宮内膜症があり直腸が子宮頚部後壁に強く癒着、直腸も
つり上がり癒着していた。re-ASRM 28点

仙骨子宮靭帯の子宮内膜症を切除している。

子宮頸部後壁から直腸を剥離している

 

癒着剥離してダグラス窩は完全に解放されている（直腸子宮内膜症切除の前）

直腸筋層の子宮内膜症を切除しているところ

直腸筋層欠損部を縫合

3-0PDSIIにて縫合

手術終了時

子宮筋腫核出術(LM)、卵巣嚢腫核出術を体内法にて施行して終了
手術時間　215分
術中出血量　60g

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子宮内膜症に対する直腸半層切除

尿管、子宮動脈、浅子宮静脈、中直腸動脈などに注意して癒着を剥離し、仙骨子宮靭帯、直腸表面の子宮内膜症病巣を切除します。顕微鏡下で行うような細かな操作を心がける必要があります。